コーヒー1杯の世界旅行

コーヒー1杯の世界旅行

~コーヒーを通じて世界を知ろう~

世界中のコーヒー

9世紀ごろ

コーヒーの発見

エチオピアの羊飼いカルディが、赤い実を食べたヤギが興奮することを発見。コーヒーの起源の伝説としてよく知られるストーリー。

15世紀

飲用文化の始まり

アラビア半島・イエメンでコーヒーが飲用として広まり、イスラム圏に普及。

16世紀

中東・北アフリカに拡大

トルコ、エジプト、ペルシャなどに伝わる。コーヒーが庶民へと広がる。初のコーヒーハウスがコンスタンチノープルで誕生。

17世紀

ヨーロッパに伝来

イギリス・フランス・イタリアなどでコーヒー文化が浸透。各国でユニークな飲み方が登場。コーヒーハウスが知識人や市民の社交場に。

18世紀

栽培の拡大

ヨーロッパ各国はコーヒーの苗木を植民地に持ち込み、カリブ海や南米へと栽培地を拡大した。

18~19世紀

世界的な普及

宣教師、旅人、商人、入植者は新しい土地へとコーヒーを運び続ける。コーヒーが世界中で生産・消費されるグローバルな飲み物に。

現代

多様化

スペシャルティコーヒーやカフェ文化の進化、多様な淹れ方や楽しみ方が広がる。

香港のコーヒー

香港

コーヒーとおちゃ

「ユンヨン(鴛鴦)」は、色も性質も異なる雄と雌のマンダリンダック
を意味する言葉。
対照的でありながら調和して生きるその姿から、異なるものが
ひとつになる美しさの象徴とされてきました。
コーヒーと紅茶をブレンドするこのユニークな飲み方
も、そんな精神を体現しているのかもしれません。
正確な起源は定かではありませんが、
第二次世界大戦後の香港で、
西洋文化と地元の食文化が交差する中で自然に
生まれたといわれています。

モロッコのコーヒー

モロッコ

コーヒーとスパイス

モロッコやセネガルなどの地域では、スパイスを効かせた香り高い
コーヒーが親しまれています。
かつて、コーヒーもスパイスもヨーロッパ上流階級の限られた人々しか
味わえない“贅沢品”でした。この2つが組み合わさる背景には、
植民地支配や国際貿易の歴史が複雑
に絡んでいます。

インドネシアのルワックコーヒー

インドネシア

ルワックコーヒー

東南アジアの一部では、「コピ・ルアク」というちょっと変わった
コーヒーが飲まれています。これは、ジャコウネコ(ルアク)が
熟した実だけを選んで食べ、そのフンから採れる豆で
淹れるというもの。
消化を経た豆は独特の風味を持ち、
「世界一高価なコーヒー」として知られ
ています。
驚くような製法ですが、自然の営みを
取り入れたユニークなコーヒー文化の
ひとつです。

フィンランドのチーズコーヒー

フィンランド

コーヒーとチーズ

フィンランドなどで親しまれている「カフェオスト」は、チーズ
入りのコーヒーです。
名前の「オスト」はスウェーデン語でチーズのこと。
コーヒーにチーズを入れると聞くと溶けてしまいそうですが、
実際には溶けにくい特別なチーズを使うため、ほのかに甘い
コーヒーともちもちとしたチーズの食感を一緒に楽しめます。
このユニークな飲み方は、豊かな
独自文化を持つ北欧の少数民族
サーミ人の暮らしの中から
生まれました。

トルコには、コーヒーのカップに残った粉の模様から未来を読み解く「コーヒー占い」というユニークな習慣があります。煮出したコーヒーを粉ごとカップに注ぎ、飲み終えたあとカップを逆さにすると、底にまだらな模様が残ります。この模様に浮かぶ形や流れから、恋愛運や仕事運などを占います。オスマン帝国時代にはさまざまな占いが楽しまれていましたが、イスラム教の教義により本格的な占術は控えられ、より気軽な「コーヒー占い」が今に残ったとも言われています。


エチオピア

コーヒー発祥の地として知られるエチオピア。エチオピアには、お客様を迎えるときに行う伝統的なコーヒーセレモニー、「カリオモン」があります。カリオモンには「コーヒーをともにする仲間」という意味が込められており、コーヒーを通じて人と人とのつながりを大切にする儀式です。一連の準備や振る舞いは主に女性が担い、使われるポットやカップは代々受け継がれることもある特別な道具なのです。

アメリカ

アメリカのコーヒー文化は、自由で多様。朝の通勤風景では、大きなカップを片手に歩く人の姿が当たり前になっています。ミルクの種類、シロップの量、温度やサイズまで、自分好みに細かくカスタマイズするのがアメリカ流。一杯のコーヒーは、“自分らしさ”を映す日常のアイコンでもあります。

日本

日本の喫茶店文化は、海外から伝わったコーヒーが独自のかたちで根付いた、少し特別な歴史を持っています。江戸時代の終わり、コーヒーが初めて日本にもたらされ、そこから徐々に「喫茶」という文化が育っていきました。明治時代には、上野に「可否茶館」という近代的な喫茶店が登場しました。
 コーヒーを飲みながらトランプや読書が楽しめる複合的な空間で、今でいうカフェラウンジのような存在だったと言われています。